VM のサイズ変更について (2018年10月3日 追記)

a-wataka

こんにちは。 Azure サポートチームの高橋です。

本日は VM のサイズ変更について、その方法と留意点をご紹介いたします。

 

Azure では必要に応じて VM のサイズを変更できる機能をご提供しております。

それぞれのシリーズに応じてスペックが異なり、用途に応じてご選択いただくことができます。

シリーズごとのスペックに関しましては、以下のドキュメントに詳しい記載がございますので、ご参考下さい。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/documentation/articles/virtual-machines-windows-sizes/

 

本記事では、リソースマネージャーモデル (ARM/V2) の VM のサイズ変更についてご紹介いたします。

クラシックシリーズ (ASM/V1) の VM については、サイズのシリーズをまたぐサイズ変更には多々制約があることをご留意願います。

 

サイズ変更の実施には、 VM の再起動が伴います。

対象の VM は停止、起動どちらの状態でもサイズ変更可能ですが、起動状態のままですと、まれにエラーが発生するという事例がございました。

そのため、サイズ変更実施の際にはポータルから停止の操作を行い、停止済み(割り当て解除)の状態にすることを推奨いたします。

なお、停止済み(割り当て解除)の状態にすることで VM を配置している物理サーバーの配置換えが行われます。

 

ポータルから停止済み(割り当て解除)の操作を行う際は以下の点にご注意ください。

ご利用のパブリック IP が変更となることによって支障のある環境につきましては、事前にパブリック IP の固定の実施を推奨いたします。

2018 年 10 月 3 日 追記

Azure ポータルの UI に一部変更がございましたので、現在の手順に変更しました。

ポータル上で VM のサイズ変更を行う

別シリーズへのサイズ変更

VM が起動している状態でサイズ変更を実施する場合、同シリーズ内での変更のみが可能です。

 

別シリーズへの変更を行う場合には、 VM をポータル上から停止済み(割り当て解除)の状態にしていただく必要があります。

例えば、 D シリーズから DS シリーズに変更したい場合は、ポータル上から VM を停止しなければなりません。

 

ただし、先にご案内した通り、起動状態のままサイズ変更を実施するとエラーが発生する場合もございますので、 VM が停止済み(割り当て解除)の状態での実施を推奨いたします。

 

また、VM をホストするサーバー群 (クラスター) のスペックによっては、サイズの変更が行えない場合があります。

例えば A シリーズから D シリーズへのサイズ変更を実施したい場合でも、 A シリーズのみ動作可能なクラスターに配置されている VM はサイズ変更を行うことができません。これは、D シリーズの VM をホストするには、A シリーズをホストしていたサーバーよりも高スペックなサーバーが必要となるためです。

 

高スペックのシリーズに変更できる環境にしておくためには、あらかじめスペックの高いシリーズで VM を作成していただき、その後サイズ変更を行っていただきますようご留意願います。

 

 

https://blogs.msdn.microsoft.com/dsazurejp/2015/09/29/d-1235/

 

2018 年 10 月 3 日 追記

VM が起動している状態でのサイズ変更を実施する場合、同一シリーズだけでなく、その他のシリーズも一部選択していただけるようになりました。(この場合もVM内部で再起動は発生いたします。)

ARM モデルのVMの場合、VMを停止(割り当て解除)の状態にすることで、VMが所属しているリージョンがサポートしている全てのシリーズへ変更していただけるようになりました。

  • リージョン別の利用可能な製品(目的のリージョンを選択してご確認ください)

https://azure.microsoft.com/ja-jp/global-infrastructure/services/?products=virtual-machines&regions=japan-west,japan-east

 

- サイズ変更の際は以下の制限にご留意ください。

1. サブスクリプションにはリージョンやシリーズ毎に vCPU の数に制限がございます。

制限を上回るスケールアップは、申請が必要となりますのでご留意ください

 

  • リージョンあたりのvCPU/コア上限値について

https://blogs.msdn.microsoft.com/dsazurejp/2018/05/11/3265/

 

2. サイズ変更するVMが可用性セット内に存在する場合、サイズ変更に制限がございます。

Azure ポータルに表示されていないサイズへ変更を行う場合は、可用性セット内の全てのVMを停止(割り当て解除)の状態にする必要がございます。

 

  • VMのサイズの変更方法について

https://blogs.technet.microsoft.com/jpitpro/2016/03/01/vm/

 

--- 抜粋 –--

サイズを変更する VM が可用性セットに含まれている場合、サイズを変更する前に可用性セット内のすべての VM を

停止する必要があります。これは、可用性セット内の実行中のすべての VM が同一の物理ハードウェア クラスターを

使用する必要があるためです。VM のサイズを変更するために物理ハードウェア クラスターを変更する場合、すべての

VM を停止してから別の物理ハードウェア クラスターで 1 つずつ再起動する必要があります。

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マウントしているデータ ディスクがある場合のサイズ変更

基本的に、サイズ変更を実施してもマウントしているデータ ディスクが切断されることはございません。

 

ただし、データ ディスクは、選択する VM サイズによって、接続数に上限があります。

そのため、現在使用している VM サイズにマウントされているディスク数より、接続数上限が低い VM サイズには変更することはできません。その場合には、変更元にマウントしているディスク数を、変更先サイズの上限数まで減らしていただくことにより、サイズ変更は可能となります。

D4 サイズで、ディスクが 9 本以上接続されている場合、上限が 8 本の D3、D12への変更ができませんが、

D4 サイズに接続されているディスク数を 8 本以下にしていただくことにより、変更可能となります。

 

2018 年 10 月 3 日 追記

同様に、ネットワークインターフェースについても選択するVMサイズによって、接続数に上限がありますのでご注意ください。

各サイズにおけるディスクやネットワークインターフェースの接続数の上限は公式ドキュメントをご参照ください。下記はDSv3シリーズの例となります。

  • 汎用仮想マシンのサイズ(DSv3シリーズ)

https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/windows/sizes-general#dsv3-series-sup1sup